スローライフな週末のカフェ巡りや神社仏閣のスピリチュアルスポットを巡る文化人的生活に憧れるるものの、長らく千葉の田舎暮らしをしている私には今更少しハードルが高いです。

  しかし思春期を通り越して10数年。三十路にもなると自分の身の丈にあった事と理想のせめぎ合いが僅かながら残ってうろうろ。

  ならばせめて!と僅かな抵抗で都内をぶらっと歩いてきました。

 4時間。

  田舎者のチープな発想とローディーの距離感覚の壊れた概念が合わさったらどうなるか?実はそんなに面白い事は起きないんです。


  馴染みの駅から始めようという安心感を求めて秋葉原へ降り立ちました。ヲタク日課のパトロールも兼ねてということでもあります。


  【肉汁麺ススム】をへるさんと食べに行った時から気になっていた【青梅珈琲】さんへ寄ってみました。テイクアウトが出来るコーヒースタンドで、一杯100円からありました。

  この時点で池袋まで歩く事は決めていたので、電車から降りて外気に慣れていない身体を労わるためにカフェオレを注文。ふわっとした暖かい一杯をご馳走様でした。


  歩き始めがそれは秋葉原、慣れた路地裏が続きます。ふとここで思い付いたのが【大通りを回避して路地裏を通って池袋を目指す。】という縛り。ゲーム難易度に飽きたヲタクが勝手に始める一人遊びみたいなものです。


  神田明神方面から水道橋へ抜ける路地裏がかなりエモい。思わず足を止めてじっくりと観察してしまう建物が多かったです。スタートしたであまり遅くなっても・・・と思い軽めにすませようとしますが、それも今思えばもう少しゆっくりしても良かったかもしれません。

 岡持ちではなくお盆にそのまま蕎麦を載せた出前のおじいさんを見かけた時は、ドリフのコントでも見ているかの驚きで腰を抜かしそうになりましたwこれが見れただけでも今日は来て良かった。




 気づけば神楽坂を通り過ぎて早稲田の方へ来ていてらしく、急に坂が多くなってきました。路地裏へ
いざなう名も無き坂達。近くに幼稚園があるのでしょうか?お迎えのお母さんやお父さん達と手をつなぎながら、今日あった一日の出来事を聞いてもらいながら歩く光景にほっこりしてしまいました。

 カメラを構えたお兄さんがいるよ!なんていわれた時には流石にハハッwと苦笑いが出ましたが、不審者やおじさんに見られなくてホッとした自分でした。私に見せ付けるかのように全力で駆け上がっていく子供達、彼らにはここも遊び場の一種なんでしょう。



 解体が決まっているコインパーキング。むき出しのスイッチと錆びたトタン。どのくらいここにあったか分かりませんが、長い間お勤めを果たしたその姿にはなにか、感じる物があります。

 九十九神などの神話が出来たのもこういった感情からなのでしょうか。




 学生が通いつめているであろう食堂を勝手に想像してストーリーを空想しながら歩く。

 僕はこんな偏差値の高い大学には通っていませんでしたが、それでも大学生活という特殊な一瞬を過ごせた事は今でも思い出に残っています。

 何か嫌な汗をかいたので足早に去ることにしました。





 現在地を確認すると目の前に神田川と都電の表記を見つけました。そういえば教習所で路面電車の勉強もしたよなあ。と謎の復習をしていると目の前を通過。あまりにも小奇麗な外装の車両が通り過ぎるもので、都心の交通機関は違うな。と昔ふるさとは熊本で見たちんちん電車と比較していました。




 路地裏縛りをしていて気づくことがあります。それは、小川と神社が都内にはそこそこ多い。という事実。

 完全には埋め立てられていない小川が生活用水として残ってる姿を目にすると、姿かたちは変わってもそれこそ江戸時代から続く、水が近くにある事。という町の基礎は変わっていないもんなんだなぁ、知れます。

 同時に、町に根付いた信仰の象徴である仏閣が残るのは、緑が少なくアスファルトで埋め尽くされていった都心でも、それは逆に自然な事なのでしょう。



 路地裏めぐりと合わせてグルメも開拓したかったのですが、商店は基本大通り沿い。という基本概念が抜け落ちている事に、雑司が谷で気づきました。慌てて駅前を通過。すると見つけたのが味自慢のメロンパン屋さん。

 迷わず名物だというホイップクリーム入りメロンパンを注文。軒先で食べさせてもらいましたがこれが絶品。


 待ち合わせも池袋へ到着して即ビール。運動とは違いますが、流石になにか充実感を演出しただろう。という自分へのご褒美がほしくなったので飲んでしまいました。

 昨今コアな部分を取り上げるのが流行のようになっていますが、それらはきちんと演出された物であり、きちんと下調べをされている事が多いです。今回のように素人の突発的な行動で探せるような物は中々なく、かえってチープさが目だってしまう。

 ただ、やはりやってみないと分からない事や湧き上がる感情もあり、リフレッシュを兼ねての'あの日の少年心'を思い出すには良かったのかもしれません。機会があればまた別の町にも遊びに行ってみたいものです。


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