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 一度は夢見るカスタムオーダーフレーム。自分の身体に合った、自分が乗るためだけの、世界に一台しかない唯一無二のフレーム。自分が導き出した答えに乗る快感は、一体どんなものなのだろう?

 ・アルミのLOUIS GARNEU ・カーボンのBianchi ・クロモリのWATANABE と今まで3台のロードバイクを乗り継いで来ました。その中でも一番ハマったのがスチールバイク。その乗り心地はカーボンに負けず劣らず、安定した速度域を保つフレーム特性、細くて美しいパイプ形状。ここには挙げきれないほどの魅力が、クロモリには詰まっています。

  きっと誰しもが、ロードバイクを購入するにはどうすればいいのか?'という敷居の高さを感じたと思います。吊るしのロードバイクではなくオーダーフレームなら、購入のハードルは更に高く感じる事でしょう。この記事では出来るだけ詳細に、ロードバイクのオリジナルフレームをオーダーする方法を書いていけたらな。と思います。


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  【KUALIS CYCLES】国内の松田自転車工房でフレーム製作を学び渡米。チタンフレームで有名なSEVEN CYCLESでビルダーを務めます。同時に自身のブランドであるKUALISを立ち上げ、2016年に和歌山に工房を移転。ビルダーの西川氏が手がけるオリジナルハンドメイドフレームビルダーブランド。ロードレーサー.MTB.CXのオーダーが可能であり、国内でも数少ないチタンを手がける事が出来るブランドです。

 僕が知った2015年辺りでは、オーダーフレームを乗っている方が周りに居ませんでしたし、珍しいフレームブランドの情報を発見できませんでした。公式HPやオーダーされた方のブログを読みあさりますが中々実態を掴めずにいました。工房を国内に移した2016年夏を過ぎてからは、国内のネットメディアでの情報も増えていき、去年の頭には札幌で展示会が開かれ初夏には某雑誌に特集が掲載されました。

いつかはKUALISで一台オーダーしたい。】と考えていた僕に、この雑誌の特集がひと押しとなりました。


  と言っても自ら連絡を取り付けフィッティングに和歌山へ向かう訳ではありません。きちんと国内に取り扱いのあるショップがたくさんあります。その中でも、いつかはお世話になりたい。と考えていたショップが【&bicycle】私の住んでいる千葉県内にあるお店。店主の渡辺さんはメカニックでありながら、ライダーとしてもとても豊富な経験を持ち、その経験から乗り手の意見を吸い上げてくれる人。自宅から江戸川CRを使い片道35㎞程で行けるショップです。


  『やはり身体に合った自転車に乗る事は大切ですね。その点KUALISのオーダーという選択は間違いないと思います。』色々とKUALISに対するお話を伺った際の一言。自分が出した答えに赤マルを貰ったような気持ち良さでした。

 納期は約3ヶ月Over。フィッティングを行いオーダーシートを作成しKUALISへ注文。その後出来上がったジオメトリーシートを確認し、OKならフレームを発注。2ヶ月程でフレームが作成されそこからペインターの元に発送。ペイント待ちで1ヶ月弱。そこからパーツの組み付け。

 思った程かからないな。といったのが最初の印象。とは言えカスタムオーダーフレームは初。ジオメトリーシートの確認で修正を入れたくなったり、仕様を追加するとその分納期は増える。加えてパーツのアッセンブルも行わなければいけません。最大の山場はペイントを指定しなければならない。センスが無い自分にはこれが一番難所でした。

  数回のショップ訪問をして引き続きお話を聞きながら自分のイメージを伝えていきました。その後一先ずの見積書を作成してもらい大体の予算を把握。実際にオーダーを入れたのは、2017年7月の頭になりました。


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 準備は整いました。久しぶりにサイクルジャージに着替えて江戸川CRへ。

 まずはオーダーシート作成→ヒアリング→身体の測定→現在のバイクの測定。を行いました。オーダーシートはかなり細かい部分まで書きます。(写真を撮るのを忘れました。)バイクの種類から始まりどんなデザインにしたいかまで細かく描けます。が、専門的な所はきちんとヒアリング後に説明もされますし意見を吸い上げてくれるので、ひとまずは自分の直感で記入していきます。

  僕が決めていたのは、
・ディスクブレーキ
・タイヤは26c辺りを使用する
・舗装路〜林道辺りを走りたいのでバイクコントロール優先
・ペイントはシンプルに
・軽さは全く気にしない(もちろん軽ければ嬉しい)
・デザイン重視
・回転系はAll chrisking

  オーダーシートで分からない所を説明してもらうと同時にヒアリング開始。オーダーシートに記入した項目をさらに深く掘り下げ情報を出し、イメージを吸い上げてもらいます。

  身体測定とバイクのジオメトリー測定をしたら終了。ここから3週間程、ビルダー西川氏からジオメトリーシートが来るまで待機。

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 3週間後に出来上がったジオメトリーシートがこちら。MAX35cのタイヤスペック、グラベルロードのジオメトリーが完成しました。ここで、このジオメトリー通りGOを出せば、パイプ加工まで待機となります。僕は一先ずこの時点で発生するフレーム+フォーク+ヘッドセットの代金と予算内の幾らかを内金で入れるために、もう一度店舗に行って打ち合わせをさせてもらいました。

 ここでビルダーの西川氏からの提案で変更点が1つ。
・クイックリリースをやめてスルーアクスル仕様に変更。ディクスブレーキを使用する際に、スルーアクスルで確実に固定が出来かつディクスブレーキとブレーキキャリパーのズレを気にする必要が無くなる。

  渡辺さんからの提案が1つ。
・タイヤサイズをMAX28cまでに変更。現在の35c、シクロクロスなどで遊ぶ事も出来るが、28cでも多少ダートを遊べる。僕の使い方だとこちらの方が向いているし、28と35ではジオメトリーが大きく異なるとの事。


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 ロードレーサーの使い方へ変更し、再度送られてきたジオメトリーシート。ここからはひたすらにフレームが上がるまで待つ。待っている間にやる事と言えば、フレームが完成した後の、ペイント案を考えておく事。デザインは勿論、希望のカラーを出してもらうには、実際の物で用意をしておく必要があります。例えばコップなどの小物。着色してある物だと色が再現されやすいらしいです。

  なので。出かけた際に希望の色をしたアイテムが無いかな?と探すことを忘れず、デザインはどんな物がいいかな?など雑誌からInstagramまで幅広くチェックしていました。


  気付くと年は明けて最初の納期から半年過ぎていました。どうやらkualisをオーダー出来るショップが増えたらしく納期が大幅に遅れているとのことです。その間に入金→パーツをアッセンブル→相談→入金の繰り返し。


  デザインやカラーを決めかねていたのもありますし、冬の寒い時期に納車よりは春先の温かな陽気で走り始めたい。という思いがあった僕はあまり気にしていませんでした。


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[photo by kualis instgram]
  そして冷たい風も吹き終わり桜が満開になった3月中旬。kualisからフレーム溶接の知らせが入りました。と、&bicycleから連絡が入り、今まで待っていた期間が長かったのの反動が襲って来たように忙しくなりました。
  • デザインの決定
  • それに伴ってカラーも決定
  • chiris kingハブ・ヘッドセットのカラー決め
  • パーツの最終選定
  僕自身、色彩センスもデザイン力に乏しい人間なのでここが一番苦労しました。半年ほど悩んでいましたが、これに決定→いややっぱり違う→これに決めた→いやこっちの方が…と悩みに悩んでいましたが、フレームをペインターさんへ発送する際にはカラーサンプルが必須です。


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 尻に火が点いた瞬間に街に繰り出し、カラーサンプルに選んだのは、ミニカーでした。一日中アキハバラの街をウロツキながら、あーでもないこーでもない。それこそ、アキヨドから中古買取店舗まで行ったり来たりを繰り返しました。その中選んだのがトミカのミニカー。子供の頃夢中になって遊んだものを、ショーケースに入っているミニカーをジッと見つめるだなんて、この歳になってもトミカのミニカーの魅力に惹かれました。


  ミニカーとワクワクする子供心を持って&bicycleへ再訪。店主の渡辺さんと打ち合わせ開始。今回使用するカラーは二種類。デザインはシンプルに部分塗り分けのみでお願いしました。

  どちらをメインカラーにするかで迷っていました。そこで素直に渡辺さんへ相談。 シートステーの塗り分け位置やダウンチューブに入れるロゴのデザインを選択、その後にパーツの最終確認をして終了。次の段階、kualisの工房からペインターさんの元へ移行します。

  今回ペイントをして頂くのは長野県伊那郡に居を構える アトリエkinopioさん。ペイント案がいくつか送られてきました。


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  カラーサンプルを元に調色するとロゴが見えづらくなるらしく、ペインターさんから提案された、フレームのカラートーン下げて暗くしたこちらを選択。全体的にまとまり、シックなカラーが気に入りました。


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 4月の下旬に塗装が上がり、残すは組み上げのみ。順調にいけばゴールデンウィーク前後に完成。でしたがここでトラブル。&bicycleさんの休業により納車もろもろ延期になりスケジュールは白紙になります。


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 フレーム+パーツ+ハブを受け取り、ここから再スタート。フレームに組み付けしてくれるショップ探し。ホイールはハブ以外揃っていなかったのでパーツを選定&手組みをお願いするショップ選び。足りないパーツを発注。正直この段階でこうなるとは思わなかったので頭を抱えました。


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 しかしピンチはチャンス!捨てる神あれば拾う神あり!という言葉を超えた救いの神が現れてくれました。組み上げはいつもお世話になっているメカニックDORAさん&茨城の知る人ぞ知るショップ大浦輪業さん。パーツの引き取りに車を出して貰うところから最後の仕上げまで、物凄くお世話になりました。


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 ホイールは大阪のhutte 8to8さん。持ち込みのハブを快く承諾してくださり、初の手組みホイールという事でも丁寧に説明してくださり迅速に組んでくださいました。


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 平成最後の6月1日、kualisを納車。


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  オーダーフレームを作る。という選択を取る方は、待つ。という事を楽しむ事が出来る人だと思います。僕の納期は約10ヶ月でしたが、これを遅いと見るか早いと見るかは当人次第だと思います。


  連絡を取りショップへ訪問するのも一度や二度じゃありません。仕様を完全に決定させるのには物凄く勇気が要ります。デザインやカラーの山に埋もれる夜も何度もありました。加工が始まるまでのドキドキを通り越してしまったなんて事も。だからこその楽しみなんです。1から創り上げられる自分の為だけの1台。こんなに素敵な物、人生において早々にありません。そう考えると僕にとっての10ヶ月はあっという間でした。

  最初から最後まで相談に乗ってくれた&bicycle店長の渡辺さん。kualisの西川さん。ペインターのアトリエ・キノピオさん。ホイールの相談に乗っていただいたhutte 8to8さん。組み上げから仕上げまで引き受けてくれたメカニックDORAさん&大浦輪行さん。アクシデントの相談に乗ってアドバイスまでくれた・へるはうんどさん。沢山の人達に助けたいただき、ただただ感謝です。

 経験は無駄にならず、必ず自分の血と骨と肉になるのが趣味だと僕は考えます。今まで乗って来た3台のおかげで僕が持てるようになった選択肢が、スチールのカスタムオーダーフレームでした。


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